3月のある日

何か楽しいことないかな?とネット検索をしている時に目についた
「短期留学」のサイトが気になりました。
月末にはアルバイトが終わるので、その後に何かお楽しみが欲しいと思っていた私、
私としては早い決断をしてメールの送信ボタンを押しました。
なにせ、フランス語は通信教育で習ったものの自己流だし、エコールサンパで勉強したこともない
初心者がフラーっと行ける所じゃないと思っていました。
返信も来るのかな?くらいの軽い気持ちだったのですが・・・
翌日には丁寧な返信メールを頂き、私の希望する時期に空きがあることを聞きました。
しかも歴史大好きな私にご提案いただいたル・ピュイ・ブレイの一週間プチ留学。
出発までは何度も打ち合わせをしていただきいろいろな資料もそろえていただいて
何の不安もなく出発の日を迎えました。

私はリヨンの空港に前日夜に到着する便を利用して、空港に隣接しているホテルに一泊して
翌日ホテルまでお迎えをお願いしました。
エルベ・オレリアご夫妻はどんな方なのだろう?と・・・
いくら人見知りをしない私でも海外で外国の方の家で暮らせるのかな?とちょっとした不安がかすめましたが・・・
「初めまして」とお会いした時から、一切の圧迫感とでもいうのでしょうか?を感じることはなく、初めてお会いしたとは
思えない気さくなお二人でした。

その日は早速「フランスの最も美しい村」の一つであるぺルージュに連れて行ってもらい、いきなり中世の街にタイムスリップです。
私の記憶が正しければ映画「三銃士」のロケ地に使われた街です。青い空に石造りの建物、そして真っ赤なバラ、美しい
コントラストに来てよかった!と感激しました。
そこからル・ピュイまで車で2時間ほどでステイの街に入ると赤い屋根が広がる素敵な景色に私の胸は高鳴りました。

翌日、さあいよいよ、人生初のマンツーマンフランス語のレッスンです。
うすうす気が付いていたのですが・・・先生はフランス語、私は日本語で返すというおかしな授業になりました。
しかし、本当に単純な言葉さえも理解できない私に熱心に根気よく教えてくださるエルベ先生には今でも足を向けて眠れません。
頭は爆発しそうなほどでしたが、これも先生のお人柄でしょうね、まったく嫌な思いをしませんでした。どのような勉強をすれば
いいのかが分かった気がしました。あとは私のモチベージョンとあきらめない強い心です!

2日目の午後はル・ピュイの街を観光しました。世界遺産である大聖堂で黒いマリア像を目にしました。重厚な作りの扉、
ゴシック建築のすばらしい建物、ここだけでかなり満足できる時間でした。その後街の中にある二つの岩山の一つの頂上
にあるマリア像まで登りました。
このマリア像はナポレオンが使った大砲から作られたという話・・・負の遺産から平和の象徴へ・・・なんともどんな言葉で
表したらいいのでしょう。
その後、巡礼地の始まりの地点に看板を見ました。いにしえの人びとの寿命はわずか40~45歳。過酷な労働しかない日々の
中で宗教が唯一の救い、死によってもたらせられる永遠の命の約束を信じて命をかけて巡礼の旅に出ていたという史実・・・
今の私たちの暮らしから想像もできない世界ですが、それによって精神が救われていたのだろうと思いながら、瞑想の回廊を
歩いてきました。
なんだかとても不思議な異空間でした。
ル・ピュイ・ブレイは時間が静かに穏やかに流れている・・・そんな気がしました。
日本の一日と一日の時間の質が違う気がしました。
それを体験できたことはとても幸せだと思いました。

3日目は郊外にある牧場でチーズの製造過程を見学に行ったのですが、そこに生後2か月という人懐こい犬がいて、私は犬と
戯れる企画に変更してたような気がします。
これだけのどかな所で育っている犬は街の中にいる犬とは全然違うオーラがありました。
人もそうですが犬もおおらかにのびのびと生活できる環境があるっていいなと思いました。
チーズの製造過程は初めて見ましたがとても面白かったです。
熟成させてあるチーズをちょっぴりお味見しましたがとても濃厚でおいしかったです。

4日目は料理教室でした。後で迎えにくるね~と言われて置いて行かれた時にちょっぴり後悔・・・フランス人3人とシェフそれに私というメンバーで、
説明も会話もフランス語。
先生がものすごく早口でずーっと話をされてましたが、私が聞き取れたのは、私はわからないだろうから黙っていていいよ!というお言葉だけでした。
でも途中に「わかった?」とかの言葉をもらいました。メンバーの皆さんも感じの良い人たちばかりでほんとうにここも和やかに過ごすことができました。
クリームブリュレ・フィナンシェ・カスタードクリームなどを作って試食。おいしかったです。

5日目は山のお城の見学です。お城に続く道沿いに白馬がいて、テンションが上がりました。
このお城はポリニャック伯爵のお城。ポリニャック伯爵と言えばポリニャック夫人。
そう、マリーアントワネットに取り入って、あのプチトリアノンに出入りを許されていた数少ない取り巻きの一人です。
革命が起こるとさっさとオーストリアに逃げたという、私の中ではあまり良い印象のない人ですが、確かにヴェルサイユに
思いを寄せたのもうなずける質素な佇まいでした。でも私はこちらのお城のが好きでした。
その後の観光も本当にその土地ならでは所で心から感動しました!

私のフランス語はまったくもって低レベルでしたが・・・
これからも続けて行こうと強く思うことができました!
機会があればまたル・ピュイ・ブレイのあの素敵な街を訪れたいと思います。
フランス語素人の私に熱心に教えていただいたエルベ!そして毎日おいしいお料理と楽しい会話で私をもてなしていただいたオレリア、本当にありがとうございました!
それとこの素敵な企画に参加させていただいた大塚さん!
こころから感謝申し上げます