冷たい秋雨のそぼ降る中、クロディーヌの運転で走るMontbardの町は、まるで中世に迷いこんだよう!そしてクロディーヌの家も!

アーチをくぐり小さな中庭に面した石作りの建物がクロディーヌの家でした。17世紀に建てられたものだそうです。この中世に迷いこんだような家で、私の1週間が始まりました。

翌朝からさっそく授業開始です。クロディーヌは、素晴らしい先生でした!みごとなまでにプロフェッショナルです! 初日、まず「あなたは文法や語彙など分かっているから、ここでの1週間はすべてフランス語で行いましょう。」と言い渡されたのでした。『分かってなんかないわい!』と内心思いましたが、せっかくの機会、やってみることにしました。といっても授業では、名刺の男性形・女性形の区別、冠詞の区別、tout,tous,toute,toutes,の使い方など、基本に終始しました。つまり、いい加減にしてきたところをしっかり入れてくださり、特に冠詞については、きちんとやっておかないと、もっと先へ行って、あなたのコンプレックスになるといけないから、との説明には有り難いなぁ、と思いました。授業では目からうろこがポロポロ・・と解ったつもりになるのに、夜、復習するとまたごちゃごちゃになっている・・・。フランス語は本当に難しいです。授業のことはこんなところです。

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さて1週間のスケジュールは、午前中が授業、午後は自由時間とクロディーヌによる近隣の名所案内など。私は世界遺産の「フォントネー修道院」と「アンシー・ル・フラン城」に連れて行っていただきました。建物も庭も、その空間の気配も日本にはまったくないものです。「フォントネー修道院」はどの角度から見てもどこを彷徨い歩いても、その造形はみごとで、ため息をつきたくなるほど素敵です。しかも、使われなくなって何百年も経っているのに、そこに確かに修道士たちの祈りが感じられるのです。暖房もない厳しい日々、敬虔な祈りと労働だけで過ごした修道士たちの祈りの気配。

そしてまた道中のブルゴーニュ地方の紅葉の雄大さといったら・・・!!こんなにみごとな紅葉の景色は見たことがない、私の見た中で最高の紅葉です!と感激する私にクロディーヌは「そうでしょう!きれいでしょう?でもフランス語には紅葉という言葉がないの。紅葉を愛でる、なんて習慣はないのよ。」『えっ!もったいない〜!』と私。

ブルゴーニュ地方には美しいカナールが流れています。セーヌに繋がるカナール(河・運河)なのだそうですが、至る所に、Montbardの町の中にもきれいなカナールが流れていて、うねるようにどこまでも続く田園地帯に調和して、本当にうっとりいつまでも眺めていたくなる景色です。

一人で過ごした自由時間、カナールに沿って散歩していると、道行く人たちが、Bonjour!と声をかけてくれます。近くの本屋さんやお菓子屋さんは、クロディーヌのお知り合いですから、日本から勉強にきているんだ、と認識してくれています。ですから本やカードを選んでいると、ただ買い物客としてだけでなく、少し会話の相手をしてあげよう、と思ってくださるようで、「いつまでいるの?」とか「この後すぐ日本に帰るの?どこか廻るの?」など、お話ししてくれます。その温かさが嬉しくて、心地よくて、ああ〜、今思っても懐かしい、素敵な町の人たちです。お店がまたおしゃれで可愛くて、マダムもチャーミングで!

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そして私もクロディーヌの大親友−Grande amieのアニーのお家にお招ばれしました。

高名な画家であるアニーは、その作品のやわらかな光ときれいなパステルの色調のまま、優しくて温かな女性らしい方でした。そして、彼女もまた、良きフランス語の先生でした。最初はゆっくり話して下さり、私のことを「彼女はすごくフランス語、上手ね。」とクロディーヌに言ってくれ、クロディーヌも「でしょう?全部分かってるわよ。」と。『うれしい!ほ、本当に?』と思った途端、二人の親友同士の弾丸トークが始まり、なんにも分からずただの雑音に。

しばらくしてアニーに「日本ではどうかしら?」と水を向けられた時にはもはや、あの、なんのお話されていたのでしょうか?状態。でもその後も、私が単語につまっていると、言葉を補ってくれたり正しい動詞に直してくれたり、とても優しい先生役をしてくださいました。ともあれ、フランス人のお宅で一緒にお昼ご飯をいただくなんて、これもまた夢のような話です。パートナーのルネも温厚な紳士で、ご一緒させていただいた時間は、温かな寛いだ空気に包まれていました。

この他クロディーヌとは、週1回開かれるという朝市(マルシェ)に買い物に行ったり、また夜には、彼女が習っている「気功」のクラスに一緒に参加したり。まさか!フランスに来て、フランス人たちとフランス人の先生から「気功」を習うとは!?
また一人では、小さな映画館で映画を観たり・・・。(スクリーン上でフランス語をしゃべるオーランド・ブルームに不思議感いっぱい!吹き替え?)
また、クロディーヌからはフランスの生活の『常識』をたくさん学び、フランス人の自立した強さの理由を少し理解できたように感じています。

こうして振り返ると、なんと充実した日々だったことでしょう!
たくさんの得難い体験をさせていただきました。

出発前、Sympa留学担当の大塚さんから、Sympaの留学は、勉強と、その土地に住んだような気分と、そして観光、これらがほどよくミックスされている、と伺いましたが、まさにたった1週間の短い期間に、すべての要素がてんこ盛りでした。

この短い「留学」は私にとってはものすごい冒険でした。勇気を出して行ってきて、本当によかったと思っています。
フランス語の勉強を30年振りに再開して半年足らず。想像もしなかった、素晴らしい体験の数々・・・。重いドアを押して1歩前に出られたでしょうか?
ともあれEcole Sympaと出会えたことに心から感謝しています。

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