レッスンは”辞書をひくな・書いてはいけない・話しなさい・聞きなさい・論理を組み立てて創造して考えなさい”と 繰りかえし言われましたが、努力して覚える方法を否定されたのですからパニックです。言葉は出てきません。レッスンの成果が出ない状況に”人とコミュニケーションを取りたくないのか?”と聞かれる始末。いいえ、言いたいことが多すぎて頭が混乱するのです。

そんな手探りの日々、モンバールの書店で日本の絵本「グリとグラ」のフランス語版とイラストだけの絵本を買い求めました。「グリとグラ」で読み方の練習やイラストを見て状況を説明するレッスンを受け、簡単な言葉で伝え、繰り返し話して聞くのがフランス語の第一歩と理解できたのは2週間も半ばを過ぎた頃。クローディンが真摯に向き合ってくれて言葉がでてきました。

生活の中で、日本には外来の文化をスタイルだけ取り入れていることが多いのに気づいたのがパンの使い方でした。朝食はパンにバターとジャム類で楽しみますが、昼食と夕食につくパンにバターは使わない。その理由は1枚のお皿で、前菜、メインディッシュとつづけるためにお皿をふく役割がパンなのです。ブルゴーニュの豊かな自然を満喫し、人々の生活に触れ、彼らの対人関係をながめ、言葉と国民性の関係を考える日々でした。

帰国便では両隣のフランスのマダムたちと話すことが出来、クローディンが繰り返し求めた”コミュニケーションのための言葉”を実感したのです。

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