2週間のモンペリエでのフランス語短期留学から戻ってきて、1か月が経ちます。
毎朝5時半起きで取り組む宿題、3時間の盛りだくさんの授業、そして辞書を片手に言葉を絞り出しながらホストファミリーと会話したフランス語での時間は、これまで東京で勉強してきたほぼ2年分の時間に当たる、と帰りの飛行機で気づきました。

留学前のカウンセリングの際、「そろそろ修行が始まるかと思うと、だんだん不安になってきました」と、カウンセラーの美奈子さんにお伝えしたことがありました。美奈子さんは、「え、修行?Keiさん、バカンスなのだから楽しんでくださいよ!」と笑っておられました。
実際のところ、ほぼすべての単語を辞書で調べながら宿題をしている時、フランス語が耳に入らず授業内容が理解できない時、言いたいことの5%も伝えられない時は、やはり「修行」という言葉が頭をかすめました。しかし、それは楽しいものであり、積み重ねるほどにコミュニケーションのための新しい回路が一つ増える、という手ごたえもありました。

▲ お料理好きのホストマザー(といっても同じ齢の)マルティンさんからは、南仏の食材を使った野菜たっぷりのお料理を習いました。キッチンでホストファミリーと過ごした時間は、家族の一員になった気分でした。
▲ モンペリエで手に入る食材で作った日本食の夕べ

特に印象深いのは、ホストファミリーと過ごした時間で、彼らとの会話の中で教わった数多くの言葉で、一番のお気に入りは“agréable”です。ある朝、いつものようにホストファザーのブルーノさんとキッチンの小さなテーブルで朝食をとっている時のこと。庭の木々が背景に広がる、開け放った窓からひんやりと気持ちのよい風が入ってきました。そういう時の気持ちの良さをなんと表現したらいいのかわからなかったので、とりあえず自分が知っている単語で「この空気、いいね」と言うと、「“agréable”というんだよ」と教えてくれました。実はその時、“agri-arbre” と自分では理解していて、 「木々を通過してくる気持ちのよい風」という表現を習ったと思っていました…。

しかし、その後いろいろな場面で“agréable”が使われることに気づきました。フランス語の先生から受け取った評価には、「あなたの積極的な態度はagréableだ」と書かれていました。滞在の終わりに、ホストファミリーからプレゼントされた写真集にメッセージを書いてもらったところ、「あなたと過ごした時間はとてもagréableだった」とありました。そして、このモンペリエでの2週間のフランス語留学を一言で表現するとしたら、私は“agréable”と答えます。

「いつ戻ってくる?」と、出発前夜にご夫妻と一緒にのんびりと過ごしているときに質問されました。「1~2年の内に」と答えました。次回は、もっとホストファミリーとたくさんの話ができるように、帰国後は毎朝出勤前の30~40分を使い、RFI(Radio France Internationale)を教材に、長く楽しく続けられる自習方法を模索中です。